『スマホ肘』になる人が増加中?スマホ肘の原因と症状、予防方法を解説

2022.12.20 最終更新日: 2023.07.25

「スマホを使うと肘が痛む…」という悩みを抱えている方、その痛みは「スマホ肘」が原因かもしれません。実は、近年このような症状を訴える方が増えています。今回は、スマホ肘の原因や症状、予防方法をご紹介します。

スマホ肘とは?

スマホの使用で肘が痛くなるのは「上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん)」または「上腕骨内側上顆炎(じょうわんこつないそくじょうかえん)」と呼ばれる疾患が原因です。
スマホの普及によりこれらの疾患になる人が増えていることから、通称「スマホ肘」とも呼ばれるようになりました。どちらも主にスポーツで起こる肘の怪我ですが、肘だけでなく日常生活で手・手首を酷使した場合でも起こります。そのため、スマホの画面を指でスライドしたり、スマホ本体を手首で支えたりすることで、これらの疾患を引き起こす可能性があります。
2つの疾患の特徴は以下の通りです。

●上腕骨外側上顆炎

※イラストは左腕です

別名「テニス肘」とも呼ばれ、家事や仕事などで肘の外側の部分に負担がかかることで生じます。テニスの「バックハンド(ラケットを持っている手側ではなく、反対側に来たボールを打つこと)」を繰り返すことで生じることが多いため、このような呼び名がついていますが、仕事や家事などで発症する場合も多く見られます。30〜50歳代の女性で、手をよく使う方に発症します。
肘の外側にある上腕骨外側上顆には手首や指を手の甲側に動かす筋肉(前腕伸筋群)がついています。これらの筋肉を繰り返し使うと、筋肉が肘の骨につく腱と呼ばれる部分に炎症を生じて、肘の外側に痛みを感じるようになります。

●上腕骨内側上顆炎

※イラストは右腕です

別名「ゴルフ肘」とも呼ばれ、ゴルフや日常生活で肘の内側の部分に負担がかかることで生じます。上腕骨外側上顆炎に比べて発症は僅かですが、年齢別に見ると40〜50歳代に多く、性別による差はありません。
肘の内側にある上腕骨内側上顆には指や手首を曲げたり、ひねったりする筋肉(前腕屈筋群)がついています。テニス肘と同じように、これらの筋肉を繰り返し使うことで、筋肉の付け根にあたる腱が炎症を起こして、肘の内側に痛みが生じます。

スマホ肘の原因と症状、チェック方法

●原因

スマホ肘の原因は「長い時間スマホを使う」ことです。スマホ肘は、指や手首を曲げ伸ばしする筋肉の使い過ぎで、腱の付着部に負担がかかることで起こります。そのため、スマホの画面をスライドさせるときに指を頻繁に動かしたり、スマホを手で長い時間支えたりすることが原因となります。
筋肉に負担をかけた結果、筋肉が集合してできる硬い腱の付着部に力が集積し、腱と骨の間に小さな傷を生じるため、痛みが発生します。

●症状

上腕骨外側上顆炎の場合は、肘の外側の痛みや握力の低下が見られます。上腕骨内側上顆炎の場合は、肘の内側の痛みが生じます。

●チェック方法

スマホ肘でも上腕骨外側上顆炎の場合と内側上顆炎の場合でチェック方法が変わります。上腕骨外側上顆炎の場合は、肘を伸ばして手のひらを下に向けた状態で、椅子(大きめのフライパンなどある程度の重さのあるもので代用可能)を持ち上げる「Chair テスト」と呼ばれるチェック方法が一般的です。この動作により、肘の外側に痛みが生じれば、上腕骨外側上顆炎を疑います。

上腕骨内側上顆炎の場合は、手のひらを上にして物を持ち上げたり、手首を曲げる力を入れたりしたときに、肘の内側に痛みが生じるかをチェックします。

スマホ肘の予防方法と対処方法

スマホ肘の予防には、手首や指の曲げ伸ばしをする筋肉の負担を減らすことが、重要です。筋肉の負担を軽減するためには、ストレッチの実施やサポーターの使用なども有効な方法のひとつです。また、日常生活においても、安静にする等で筋肉に負担をかけない工夫をしてみてもよいでしょう。

●スマホ肘におすすめのストレッチ

スマホ肘の痛みが肘の外側か内側かでストレッチの方法が異なります。それぞれの場合を想定したストレッチをご紹介します。

肘の外側が痛い場合のストレッチ

① 痛みがある腕を、肘を伸ばしてまっすぐ上げる。手のひらが手前になるようにして、指先を下に向ける
② 反対の手で、手の甲を下向きに抑え、手前に曲げる
③ 痛みがある腕の上の部分が、気持ちよく伸びている感覚があるところで止める
④ 5〜30秒キープする

肘の内側が痛い場合のストレッチ

① 痛みがある腕を、肘を伸ばしてまっすぐ上げ、手の指先を下に向ける。手のひらが外側になるようにして、指先を下に向ける
② 反対の手で、手のひら側から手前に引く
③ 痛みがある腕の上の部分が、気持ちよく伸びている感覚があるところで止める
④ 15〜30秒キープする

これらのストレッチをスポーツや作業の後に行い、筋肉にかかる負担を和らげるのがポイントです。

●肘ベルトやサポーターを使用する

肘ベルトや専用のサポーターを肘の少し下に巻くことで、痛みの緩和や負担の軽減が期待できます。これは、筋肉を圧迫することにより、炎症が生じやすい腱にかかる負荷が減少するためです。痛みのある場合だけでなく、予防のために使用しても効果的です。

●安静と日常生活での工夫

炎症が起こっている部分を安静にするため、日常生活で注意が必要です。まずは、長時間のスマホの使用やパソコンのタイピングを避けましょう。また、テニスやゴルフといったスポーツ行う、手を頻繁に使う作業を行う、重いものを繰り返し持つといったことも、控えましょう。

まとめ

スマホ肘はスマホの使用はもちろん、手や手首を使うさまざまな動作で痛みを生じるため、日常生活に支障をきたす要因となります。長時間のスマホ使用を避けることはもちろん、テニス・ゴルフなどのスポーツをする場合、仕事で手作業を長時間する場合は、合間にストレッチを取り入れて、スマホ肘を予防しましょう。また、スマホ肘は「痛みが軽いから」と対処せずに、繰り返し手や手首に負荷をかけてしまうと症状が悪化する恐れがあります。肘に痛みがある場合は、早めに医療機関を受診して適切な治療を行いましょう。

発信者

シグマックス・MEDIAID事務局

シグマックス社員が仕事の中で得た知識から、知っておくと嬉しい・役立つ情報を、生活者の視点から発信しています。

MEDIAID(メディエイド)は整形外科で
確かな実績を持つ
日本シグマックスの
サポーター専業ブランドです。

日本シグマックス 医療をベースにした確かな実績。医療機関向け関節サポーター出荷額1位。腰サポーター出荷枚数2年連続1位 ※MEDIAIDは日本シグマックスのブランドです。
※1:㈱日本能率協会総合研究所調べ。2023年度メーカー出荷額ベース
※2:㈱日本能率協会総合研究所調べ。2020~2023年度メーカー出荷枚数ベース

公式オンラインショップTOPへ
一覧へ戻る
オンラインショップはこちら