『肩こり』の原因や種類は?日常生活からくる肩こりの予防方法をご紹介

2021.09.17 最終更新日: 2023.07.25

多くの人が一度は経験したことがあると言われる「肩こり」。しかし、どのような原因で肩こりが起こるのかを知らない人もいるのではないでしょうか。まずは肩こりの原因を知って、症状が現れる前にできる限り対策をしましょう。今回は、日常生活でよく見られる肩こりの原因や種類について解説し、簡単にできる予防方法をご紹介します。

肩こりが起こる理由

平成28年の「国民生活基礎調査(厚生労働省)」によると、肩こりは男性の自覚症状の第2位、女性は第1位となっており、男女ともに多くの人が肩こりに悩んでいることが分かっています。肩こりが起こる理由としては、主に次の2点が挙げられます。

■頭や腕の重みによるストレス
首や肩の上には人間の発達した脳とそれを守る頭蓋骨などからなる重たい頭があり、首や肩の先には2本の腕がぶら下がっています。このように、首や肩には特別な負担がかからなくても、常に頭や腕の重みによるストレスがかかった状態のため、こりやすい場所です。

■日常生活の影響
頭や腕の重さによるストレスが常にかかった状態に加えて、同じ姿勢を続けていたり、不規則な生活をしていたりすると、筋肉に負担がかかるため肩こりが起こりやすくなります。日常生活の影響については、「本態性肩こりを引き起こす要因」のところで詳しく解説します。

肩こりの種類

肩こりは病名ではありません。首の付け根や肩から背中が張ったり、こわばったような感じがしたり、痛かったりといった症状を総じて「肩こり」と呼びます。肩こりは大きく2種類に分類されます。

症候性(しょうこうせい)肩こり

何らかの疾患が原因で起こる肩こりを「症候性肩こり」と呼びます。首や肩周辺の骨、関節の異常といった症状に直接的に関連があるような整形外科的な病気が原因となる場合だけではありません。内科や外科、眼科などさまざまな病気が原因で肩こりが引き起こされることがあります。

【症候性肩こりの原因となる病気の例】
1.整形外科的な病気
・頚椎神経根症(けいついしんけいこんしょう)
・椎間板ヘルニア
・肩関節周囲炎
・腱板損傷
・胸郭出口症候群
2.内科・外科的な病気
・心筋梗塞
・狭心症
・解離性大動脈瘤
・頭痛
・高血圧
3.目の病気
・視力障害
・眼精疲労
4.精神的な病気
・うつ病
・パニック障害
など

このような病気が原因の肩こりは、症状の改善のために根本となっている病気の治療が必要となります。

本態性(ほんたいせい)肩こり

肩こりの原因となる病気や障害がはっきりと特定できないものを「本態性肩こり」と呼びます。血流の不良や悪い姿勢など何らかの原因があるものの、はっきりと診断がつくような疾患が見られない肩こりです。実は、肩こりの大半はこの本態性肩こりです。

本態性肩こりを引き起こす要因

はっきりと原因となる病気が特定できない本態性肩こりですが、症状を引き起こす要因がいくつかあります。

・スマホやパソコン作業などで長時間同じ姿勢を取り続ける
・猫背やなで肩など、もともとの特徴的な姿勢
・運動不足による筋力の低下
・夏のクーラーなどによる冷え
・精神的なストレス
・不適切な生活習慣

これらの要因が重なると筋肉に負担がかかったり、血流を調整する自律神経の働きが乱れてしまったりします。その結果、筋肉が疲労し、血流が滞ります。血流が滞ると本来代謝されるはずの老廃物が一定の場所に蓄積します。そのことにより筋肉がこわばったり、重だるく感じたりといった肩こりの症状を引き起こします。

肩こりの予防方法

肩こりを予防するためには、前述した肩こりを引き起こす要因を取り除く必要があります。そこで、具体的な予防のポイントを解説します。

■長時間同じ姿勢を続けない
スマホやパソコン作業、読書、家事などで同じ姿勢を取り続けることで首や肩の筋肉が継続して緊張し、筋肉の疲労、血流の悪化による肩こりを招いている場合もあります。そのため、作業の合間に休憩を挟み、同じ姿勢を取り続けないようにしましょう。タイマーなどを活用して30分おきに休憩やストレッチ、軽い体操(首回しや肩回し)などをしてください。

■首や肩を冷やさないようにして温める工夫をする
首や肩を冷やさないように、クーラーや扇風機に直接当たらないようにするなどの工夫をしましょう。血流を改善することは新陳代謝を促し、筋肉に溜まった肩こりを招く老廃物を取り除くことを促進します。入浴などで首や肩を温めるのも効果的です。

■適度な運動をする
運動不足による筋力低下を解消したり、全身の血流を改善したりするために日々の生活に適度な運動を取り入れましょう。激しい運動ではなくても、ウォーキングやラジオ体操などを継続すれば肩こりの要因となるストレスの解消や気分転換にもつながります。

■ストレスを発散する
コロナ禍でなかなか外出できないような状況だと運動不足に加えて精神的にストレスが溜まり、肩こりを悪化させている人もいます。できる限りの範囲で自分の趣味や好きなことを行って、気分転換することも肩こり予防には重要です。

■ストレッチをする
首や肩の筋肉の血流を改善するためにはストレッチがおすすめです。ストレッチはあまり根詰めて行う必要はありません、仕事の合間や就寝前、入浴後など隙間時間やリラックスできる時間を利用して毎日少しずつ行いましょう。

肩こりで病院に行く目安

以下のような状態に当てはまる場合は早く病院を受診しましょう。

・手足にしびれがある
・首を動かせない
・ストレッチをすると痛みが出る
・痛みは常に存在し、首や肩を動かしても痛みが増強しない(神経根症や関連痛の可能性がある)
・少し運動をしただけで(階段の上り下りなど)痛みが出る
・徐々に痛みがひどくなる
など

これらの症状がある場合は何らかの病気が潜んでいる可能性があります。手足にしびれがある場合は、血管や神経が圧迫されるような病気が考えられます。また、首を動かせなかったり、ストレッチをしたりすると痛みが出る場合は筋肉や骨などの組織が損傷している危険性があります。反対に、首や肩の痛みが常にあるにもかかわらず、首や肩を動かしても痛みが強くならない場合は神経の痛みが原因の場合もあります。その他にも、ストレッチなどを行っても改善が見られない場合は内科的な病気の可能性があります。

まとめ

日常生活が原因で起こる肩こりは、根本的な原因を改善しなければ再発しやすく、長引きます。そのため、予防方法を継続して行い、肩こりが起こらないようにすることが大切です。自分でもできそうな予防方法を生活の一部に取り入れて、無理のないように続けましょう。

発信者

シグマックス・MEDIAID事務局

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※1:㈱日本能率協会総合研究所調べ。2023年度メーカー出荷額ベース
※2:㈱日本能率協会総合研究所調べ。2020~2023年度メーカー出荷枚数ベース

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