2021.09.17 最終更新日: 2024.08.30
首が動かしづらい、首が重たくて痛いといった症状である「首こり」。首こりは、肩こりと同じように、筋肉が凝り固まって、痛みが出現した状態のことです。ここでは、首こりの原因や予防方法、ストレッチ方法などをご紹介します。
人間の頭部は約4~6kgと言われています。まっすぐに向いているだけでも首にはストレスがかかりますが、頭頚部を下に傾けると負担が増えます。例えば、頭を15度前に傾けると、首には約12㎏の力がかかります。うつむく角度によって、負担の大きさが変わります。
スマホやパソコンを長時間使用するとうつむく姿勢となり、首にとって大きな負担となります。また、同じ姿勢を続けることで、首や肩の筋肉が緊張して血流が滞り、疲労が蓄積し、凝りや痛みの症状が現れます。さらに、運動不足や加齢に伴い、筋力が低下し、猫背になりやすい状態になります。猫背は首が前に出て、首の後ろや横の筋肉が常に緊張している状態になります。その結果、血流が悪くなり、首や肩の凝りや痛みを引き起こします。
首の凝りや痛み以外にも、頭痛やめまい、吐き気、しびれなどの症状が起こることもあります。
首は「回す」「上や下を向く」「傾ける」などの複雑な動きが可能です。首に関する代表的な筋肉は、胸鎖乳突筋、僧帽筋、頭半棘筋、頭・頸板状筋、肩甲挙筋です。これらの筋肉は、頭から肩甲骨周囲まで伸びているため、首と肩の両方に関与します。
■僧帽筋
肩こりに大きく関わっている僧帽筋は、首から背中上部の表層面にかけて存在します。首や肩周辺の血液の循環が悪くなると肩こりを引き起こします。肩こりがひどくなると、首も凝ってくるため、僧帽筋も首こりの原因となります。僧帽筋は、腕を身体の横に広げる(肩甲骨外転)、肩をすくめる(肩甲骨を上に動かす)、頭を後ろに倒す(頸部の伸展)などの動作に作用します。
■胸鎖乳突筋
胸鎖乳突筋と頭板状筋・僧帽筋は、拮抗する(引っ張り合う)筋肉です。頭を回転させたり、頭を斜めに傾けたりする働きをします。また、首を屈曲させるのにも役立っています。胸鎖乳突筋が凝ると、肩こりや首こりなどの原因になります。
■肩甲挙筋
肩甲挙筋は僧帽筋と共に肩こりに関係する筋肉の一つです。首から肩甲骨に付いている筋肉で、この筋肉は肩をすくめる(肩甲骨を上に動かす)、首を傾けるなどの動作に作用します。この筋肉が硬いと棘上筋(腕を外に上げる筋肉)がうまく働けないため、肩を上げづらくなります。
■頭半棘筋
頭板状筋の下にある筋肉で、頭を後ろに反らせる働きがあります。
■頭・頸板状筋
頭・頸板状筋は、頸椎(首の骨)の後ろ側にある筋肉で、頭半棘筋と同じく、頭を後ろに反らせたり、頭部を回旋させたりする作用があります。
■睡眠時の姿勢が悪い
首や肩は、頭を常に支えているため負担がかかります。寝ている時は全身が脱力状態となりますが、自分の身体に合っていない枕を使用していると、疲労が取れなかったり、首・肩が凝ったりする場合があります。
高さのある枕を使っている場合、首が下に傾いた状態となり、首に負担がかかるだけでなく、呼吸の抑制、首のシワにも繋がります。また、柔らかい枕は、頭部を安定しようとするため、常に首が緊張する状態が続いてしまうため、首こりの原因となります。
■スマホやデスクワークなどで長時間同じ姿勢をしている
スマホを長時間見ている時は、首や顔は下を向いていることが多く、首の前弯がなくなっている姿勢(前弯の逆反りした後弯)となり、「ストレートネック」とも呼ばれます。ストレートネックの症状は、首・肩の凝り、頭痛、手のしびれ、めまい、吐き気、耳鳴りなどがあります。ストレートネックの人は、頭痛が起こりやすくなります。
また、デスクワークを長時間続けていると、モニター画面に集中することで自然と首と背中は前かがみとなり、首や肩の凝りの原因になります。さらに、腰にも負担がかかるため腰痛を引き起こす場合もあります。
■ストレスで筋肉が緊張している状態
日常生活でストレスを感じると、交感神経が優位となり、血管が収縮し、血行が悪化するため、首・肩の凝りを引き起こします。
■加齢や疾病による頸椎の変形
加齢や疾病によって頸椎が変形することで、骨のアライメント(配列)異常が起こります。骨のアライメントが崩れることで、頸椎椎間板ヘルニアや変形性頚椎症、頚椎症性脊髄症などになり、首の凝りや痛みだけでなく、手・腕のしびれなども引き起こします。
① 長時間同じ姿勢を続けない
② 適度な運動をする
③ 目を休ませる
④ ストレスを適度に発散させる
長時間の同一姿勢は首や肩の凝りの原因になります。パソコンやスマホを長時間使用した後は身体を動かし、目を休ませましょう。身体を動かすことで筋肉の血流も促進されると共に、ストレス発散にもなります。
ストレッチは反動をつけずに、15秒~30秒ゆっくり行ってください。呼吸を止めないように行いましょう。
【肩甲挙筋のストレッチ】
① 左腕を下ろす
② 右手で左側頭部を持ち、右斜め前に倒す
③ 15~30秒キープ
④ 反対側も同様に行う
【胸鎖乳突筋のストレッチ】
① 手を軽く組んで、親指が鎖骨にかかるよう胸の上に置く
② 首を45度右に曲げる
③ そこから左に45度回します
④ 反対側も同様に行う
【頭板状筋のストレッチ】
① 足を肩幅くらいに広げ、両手で後頭部を押さえる
② 首を前に傾ける
③ 15~30秒キープ
首を前に傾ける時は、力を入れて傾けるのではなく、頭の重さで傾けるようなイメージで行います。背中が丸まらないようにし、身体が前に倒れないように気を付けてください。
デスクワークやスマホ操作などで顔が下を向く姿勢や顎が突き出る姿勢が続く際は、無意識に頭が前傾した姿勢で固定されてしまいます。首が前傾していると頭の重さが首にかかり負担が大きくなります。
デスクワークやスマホ操作時など姿勢に意識がいきづらく、首が前傾する姿勢が続くシーンでサポーターを取り入れてみてください。
サポーターを着用することで首の過度な倒れこみを防ぐため、首の負担軽減に効果的です。
【サポーターを選ぶ際のポイント】
長時間着けても邪魔・負担になりにくいように、通気性に優れたものや装着感の良いサポーターがオススメです。
慣れるまでは装着する時間を調整しながら、徐々に長くするなど、自身のコンディションと相談しながら取り入れてみてください。
適度なクッション性で肌当たりが良く、首まわりはメッシュ生地で通気性を確保。
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運動やストレッチをしても凝りや痛みが軽減されない、あるいは、ストレッチをしたことで、頭痛、めまい、手・腕がしびれるなどの症状が出現した場合は、病院を受診してください。
頸椎椎間板ヘルニアや変形性頚椎症、頚椎症性脊髄症などの整形疾患の疑いだけでなく、心疾患などの内臓疾患の関連痛の可能性もあります。
通常の首こりは、今回ご紹介した方法で改善できる可能性があります。スマホやパソコンを長時間使用することが多い方は、身体に負担がかからないように日頃から姿勢に気を付け、適度な休息や運動、ストレッチを行いましょう。
シグマックス・MEDIAID事務局
シグマックス社員が仕事の中で得た知識から、知っておくと嬉しい・役立つ情報を、生活者の視点から発信しています。
MEDIAID(メディエイド)は整形外科で
確かな実績を持つ
日本シグマックスの
サポーター専業ブランドです。
※MEDIAIDは日本シグマックスのブランドです。
※1:㈱日本能率協会総合研究所調べ。2023年度メーカー出荷額ベース
※2:㈱日本能率協会総合研究所調べ。2020~2023年度メーカー出荷枚数ベース