2021.04.20 最終更新日: 2024.08.29
「腰痛を改善する方法が知りたい!」そのような悩みの解消方法に筋トレがあります。中でも、主にお腹や背中といった体の芯の部分を鍛える体幹トレーニングがおすすめです。
今回は筋トレの有効性や注意点を交えながら、正しいトレーニングの方法をご紹介します。
○ 腰は体で最も負担がかかる場所だから
背骨の腰にあたる部分である「腰椎」は、上半身の重さを支える役割を担っています。上半身の重さを支えることで、腰椎やその周りにある筋肉、神経といった組織は、さまざまな動きや姿勢で負担がかかりやすくなっており、異常をきたし痛みの原因となりやすいのです。
○ 腰の周囲には様々な臓器がある
腰の周囲には腰椎や筋肉、神経以外にも腰椎同士をつなぐ関節や靭帯、腰の前にある内臓、そしてこれらの臓器に通っている血管などがあります。これらのどこかに異常が起きた場合でも、腰痛が症状として出ることがあります。
○ 診療では腰痛の原因となる場所を探す
診療では腰痛の原因となっている場所を探しますが、最初に行われることは、腰痛が「危険な腰痛」であるかどうかの確認です。なぜなら、危険な腰痛としての兆候があり、腰痛の原因に重篤な病気が潜んでいる可能性があれば、すぐに専門的な診療や治療を受けてもらう必要があるためです。
○ 筋トレをしてはいけない腰痛とは
危険な腰痛である場合は、筋トレをするべきではありません。筋トレをすることで症状や病気を悪化させる恐れがあります。
以上のように腰痛の原因はさまざまであり、筋トレでは解消できない腰痛もあるということを知っておきましょう。
筋トレをして体幹を鍛えるとなぜ腰痛が緩和されるのでしょうか。それは体幹の筋肉が姿勢の改善と腰椎の支持に役立っているためです。体幹には大きく分けてアウターマッスルとインナーマッスルと呼ばれる2種類の筋肉があります。
アウターマッスルには一般的に腹筋と呼ばれている腹直筋(ふくちょくきん)や内・外腹斜筋(ない・がいふくしゃきん)があり、大きな力により体幹の運動や固定に強く働きます。
一方、インナーマッスルには腰椎の近くに腹横筋(ふくおうきん)、多裂筋(たれつきん)、骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)と呼ばれる筋肉があります。これらの筋肉は、腰椎の連結を強化して正しい位置に保つとともに、腰椎を安定させます。
以上のように2種類の筋肉の働きにより姿勢が改善されるとともに、腰椎を支えて安定させるのです。結果として、腰椎や腰の筋肉にかかる負担を軽減でき、腰痛の緩和に有効と言えます。
● トレーニングによって痛みが強まるような場合はすぐに中止しましょう。
● 腰痛の症状以外に、発熱や足のしびれ、体重の減少、尿失禁や頻尿などの症状が出る場合は、重篤な病気が潜んでいる可能性があるため、筋トレをする前にすぐに医師の診察を受けましょう。
● じっとしていたり、寝ているだけだったりするときに痛みがある場合も、無理をせずに受診しましょう。
上記のような状態に当てはまらない場合でも、筋トレをすることで腰の痛みが悪化するかもしれないと不安に思われる方もいるかもしれません。そのような場合には、実施種目や回数を少なくしたり、腰椎の動きが少ない運動から選択したりするようにしましょう。
実施した種目や回数で、翌日以降に痛みが出ない場合は、いきなり無理をせず徐々に種目や回数を増やしていき、トレーニングをなるべく継続できる工夫をすることが大切です。また、正しい姿勢や方法に気をつけてトレーニングをすると痛みが悪化するのを防ぐことができます。次からご紹介するトレーニングでもしっかり方法や姿勢を意識して実施しましょう。
カールアップは腹筋を鍛えるトレーニングです。
①仰向けになり、膝を曲げる
②両手を腰の下に入れる
③手に軽く圧力がかかる状態にして、おへそを覗き込む
④頭をゆっくり上げ、1〜2秒キープしてゆっくり戻す
この運動によりアウターマッスルである腹直筋を鍛えることで、大きな力で動きを引き出したり、腰を支えたりすることにつながります。ポイントは膝を曲げたり、手に軽く圧をかけるようにしたりすることで、腰が反って負担がかからないようにすることです。手に圧力を軽くかけると、インナーマッスルである腹横筋の収縮も同時に行うことにもつながります。頭を上げるときは息をゆっくり吐き、頭を下げる時に吸うようにして、呼吸が止まることによる血圧の上昇を防ぐようにしましょう。
腹直筋と同じ内・外腹斜筋といったアウターマッスルを鍛える運動です。
①仰向けになり、膝を曲げて、両手を頭の後ろで組む
②息を吐きつつ体をひねりながら上半身を持ち上げる
③片側の肘を反対側の膝に近付ける
④ゆっくりと息を吸いながら①の体勢に戻る
⑤反対側も同様に行う
腹直筋がお腹を縦にまっすぐ覆っているのに対して、内・外腹斜筋は左右をハの字(厳密にいうと内腹斜筋は文字通りハの字で外腹斜筋は逆ハの字)に覆っているため、腰を前からバランスよく支えるには腹直筋と一緒に腹斜筋が働くことが大切です。
ここからはインナーマッスルを鍛える運動を紹介します。まずは代表的な運動の1つドローインです。
①仰向けになり、膝を曲げる
②大きく息を吸い、お腹を膨らませる
③息を吐くのに合わせてできるだけお腹を凹ませる
④凹ませた状態のまま、深呼吸を繰り返す
腹圧を意識的に高めるドローインをすることで、コルセットのように体幹を覆っている腹横筋などのインナーマッスルが鍛えられ、腰への負担を軽くして、腰痛の軽減につながることが期待できます。
プランクはお腹から腰の周辺にかけてのインナーマッスルを鍛える運動です。
①うつ伏せになり、床につけた肘とつま先で体を浮かせる
②肩から踵を一直線になるようにする
③肩甲骨を軽く内側に入れる
体が曲がったり、反ったりすると腰の負担が増えたり、インナーマッスルが正しく働かなかったりするため、一直線になるように意識しましょう。
バードドッグは腰椎に最も近い部分にある多裂筋と呼ばれるインナーマッスルを鍛える運動です。
①四つん這いになり、肩甲骨を軽く寄せる
②片側の手を前方に伸ばしキープする
③反対側の足を後ろにできるだけ遠くに伸ばす
※伸ばした手足は一直線に突き出すイメージ
④肘と膝を近づけて、再び遠くに伸ばす
⑤反対側も同様に行う
四つん這いの姿勢は、両手は両肩の真下に、両膝は両股関節の真下に来るようにして、背中が丸まったり、反ったりしないように意識しましょう。多裂筋を鍛えることで、腰椎の安定性を高め、腰への負担を軽減することが期待できます。
腰痛の多くは原因不明と言われていますが、姿勢が崩れていることが原因で腰に負担がかかる事があります。
姿勢を正しく保ち、日常の不調の対策を行うことも必要です。
腰は重い荷物の上げ下げ等で負担がかかるイメージが強いと思いますが、中腰での作業や長時間座っていること等でもかなりの負担がかかります。
トレーニングや日常生活の見直しだけでなく、負担のかかる動作を避ける・動作を行う際はサポーターを着用し負担を軽減するなど、日頃の動作の見直しを行いましょう。
腰サポーターには、主に【腹腔圧上昇効果】や【後屈抑制】といった機能があります。
腹腔圧上昇効果とは、下腹部に外側から圧を加えることにより、腰椎への負担を軽減する機能です。後屈抑制は、背部から腰の反りすぎを抑制する機能です。
つまり、着用することで正しい姿勢の補助を行い、腰椎への負担を軽減してくれるのが腰サポーターの役割となっています。
【サポーターを選ぶ際のポイント】
長時間着けても邪魔・負担になりにくいように、通気性に優れたものや着け心地の良いサポーターがオススメです。
また、腰の違和感の程度や使用シーンにあわせ、腰に大きな負担がかかる場合は固定力の強いものを、スポーツ時に使用する場合は丈の短いサポーターを選ぶこともオススメです。
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腰痛の予防や改善にはしっかり体幹の筋肉を鍛えて、良い姿勢や腰椎の安定を確保することが大切です。むやみに筋トレをするのではなく、筋トレが逆効果にならないように注意が必要です。医師の診療や治療もうまく組み合わせながら、今回ご紹介した筋トレを無理のないものから始めましょう。
また、根本的な姿勢を見直す、日常的に負担がかかる動作の際はサポーターを取り入れることから始めましょう。
シグマックス・MEDIAID事務局
シグマックス社員が仕事の中で得た知識から、知っておくと嬉しい・役立つ情報を、生活者の視点から発信しています。
MEDIAID(メディエイド)は整形外科で
確かな実績を持つ
日本シグマックスの
サポーター専業ブランドです。
※MEDIAIDは日本シグマックスのブランドです。
※1:㈱日本能率協会総合研究所調べ。2023年度メーカー出荷額ベース
※2:㈱日本能率協会総合研究所調べ。2020~2023年度メーカー出荷枚数ベース