2025.03.31
「立っていると足の裏が痛い…」「歩き始めると、足の裏が痛む」。このような症状はありませんか?もしかすると、足の裏の病気が原因かもしれません。
今回の記事では、足の裏が痛む原因や足の裏に痛みがある場合に考えられる疾患を解説します。また、足の裏の痛みを緩和するストレッチ方法、痛みを予防する方法もご紹介します。足の裏の痛みが気になる方はぜひ参考にしてください。
足の骨は、筋肉や靭帯、足底腱膜(そくていけんまく)の働きによってアーチと呼ばれる構造を形成しています。このアーチは、体重を分散させたり、衝撃を吸収したりする働きをします。
足には、3つのアーチがあります。
1. 外側縦アーチ:かかとと小指の付け根を結ぶ
2. 内側縦アーチ:かかとと親指の付け根を結ぶ
3. 横アーチ:親指と小指の付け根を結ぶ
3つのアーチの中でも内側縦アーチは「土踏まず」を作る部分で、体重の分散や着地時の衝撃の吸収に重要な役割を果たします。内側縦アーチを作る主要な組織が、足底腱膜です。
足にかかる負担を軽減して、スムーズな歩行をするために重要な機能が2つあります。トラスメカニズムとウィンドラスメカニズムです。
トラスメカニズム
足はアーチを形成する骨と足底腱膜が連携し、荷重に応じて変形する構造を持っています。この可動性を持つ仕組みを「トラスメカニズム」と呼びます。トラスメカニズムによる衝撃吸収の仕組みは、下記のとおりです。
① 足にかかった荷重がアーチにより前後方向に分散され、アーチが一時的に低くなる
② アーチが低下すると足底腱膜が引き伸ばされ、荷重を支えるための引っ張る力(張力)が発生する
③ 足全体に荷重が分散されて、衝撃が吸収される
ウィンドラスメカニズム
足のアーチや足底腱膜の働きにより、歩行時に体重移動を円滑にする作用が「ウィンドラスメカニズム」です。ウィンドラスメカニズムの仕組みは、下記のとおりです。
① 歩いていて地面を蹴る時に(足のつま先が足の甲側に曲がる時に)、足底腱膜が引き延ばされる
② 引き伸ばされた足底腱膜が巻き上げられるように引っ張られる
③ 足のアーチが上昇することで元に戻ろうとする復元力が発生し、前へ推し進める力(推進力)を生み出す
着地時はトラスメカニズム、蹴り出し時はウィンドラスメカニズムが働き、これを繰り返すことでスムーズかつ負担の少ない歩行が可能になります。このことから、体重の分散や衝撃の吸収、歩行には足底腱膜やアーチが重要な役割を果たしていることがわかります。
長時間立っていたり、歩いたりすることで足の裏に繰り返し負担が加わると、足の裏にある組織に障害や炎症が起こり、痛みが生じます。また、ランニングやジャンプなどを伴うスポーツをする方は、スポーツ時に足の裏に強い衝撃が加わるため、痛みが出る場合もあります。
また、扁平足(へんぺいそく:土踏まずが低下または消失した状態のこと)やハイアーチ(足の内側縦アーチが通常よりも高く、足の甲部分が高い状態のこと)といった状態の方は、足の裏に過剰な負担が生じやすいため、痛みを引き起こしやすいです。
足の裏に痛みがある場合に考えられる代表的な疾患を説明します。下記の症状に当てはまる場合は、専門的な治療が必要になるため、整形外科などの医療機関を受診しましょう。
足底腱膜はかかとからつま先まである扇状の組織です。足のアーチを作り、衝撃の吸収や歩行を円滑にする役割があります。足底腱膜に繰り返し負担がかかり、足底腱膜とかかとの付着部に炎症が生じるのが足底腱膜炎です。
※正式には足底腱膜炎が正しい症例名ですが、俗に「足底筋膜炎」と呼ぶこともあります。
原因
● 長時間の立ち姿勢
● 長時間歩く
● 体重の増加
● 自身の足幅に合わない靴を履いている
● スポーツ(ランニング、ジャンプなど)による足の使いすぎ
● 足のアーチが通常より低いor高い(扁平足やハイアーチなど)
症状はかかとの前方内側に生じる痛みです。階段を昇る時、つま先立ちになる時に、足底腱膜に引っ張る力(牽引力)が加わると、痛みが強く出ます。また、起床後の1歩目で痛みが出やすく、歩くうちに徐々に痛みが緩和していくのも特徴です。痛みがおさまっていても、歩行量が多くなる夕方には足底腱膜に対する負担が蓄積されて、再び痛みが現れます。
同じような症状はスポーツ時にも見られます。スポーツを開始した直後は痛みがあっても、徐々に痛みが軽くなります。しかし、スポーツする時間が長くなると、痛みが強く出るのが特徴です。
足の親指(母趾:ぼし)の付け根には、種子骨(しゅしこつ)と呼ばれる小さな骨が2つあります。通常、足の親指の種子骨は、親指が踏ん張りやすいようにしたり、衝撃を吸収したりする役割があります。この種子骨に炎症や骨折などが生じると、親指の付け根の関節(足底側)に痛みや腫れが起こるのが母趾種子骨障害です。
原因
● 親指の付け根に過剰な力が加わる、または繰り返し負担がかかる
● スポーツ(ランニング)による足の使いすぎ
● 勢いよく足を踏み込むことが多い仕事
足を踏み込むことで、足の親指が反った状態になると痛みが発生します。そのため、踏み込む必要があるスポーツや作業が困難になります。足の親指の付け根の関節(足底側)が腫れて、赤くなる、または押すと痛みが出るなどの症状も現れます。
モートン神経腫は、足の指の神経が骨と骨の間で挟まれて障害される疾患です。
原因
● ハイヒールなど幅の狭い靴の着用
● 中腰、つま先立ちなどによって足の前方に体重がかかる姿勢
足の指の神経は、指の骨と骨の間をすり抜けるように通過します。さらに、足の人差し指と中指、中指と薬指の間は、靭帯により強力に連結されて間が狭くなっているため、神経が圧迫されやすい状態です。そのため、足の前方に体重がかかる姿勢によって、神経が圧迫されます。
症状は、歩行時に足の指の間に生じる痛みです。また、神経の症状として知覚障害があります。知覚障害は足の指の間のしびれ感、焼けるような感覚(灼熱感)が起こる可能性があります。
足の裏の痛みを緩和するために、足底腱膜にかかる負担を軽減するストレッチを行いましょう。
ストレッチは痛みのない範囲で、伸ばされているのを感じる程度の強さがおすすめです。もし、伸ばされるのを感じる前の段階で足の裏に痛みが生じたり、ストレッチをしても痛みが改善しなかったりする場合は、早めに整形外科などの医療機関を受診しましょう。
また、痛み以外の症状や腫れがある場合は、ストレッチは行わず、整形外科などの医療機関を受診してください。
足裏のストレッチによって、筋肉や足底腱膜の柔軟性を高めます。
1. 床に座って、左膝を曲げ、右足はあぐらをかく
2. 左足の裏を両手で持ち、足の指を手前に曲げる
3. 15〜30秒キープ
4. 1〜2セット行う
5. 反対も同様に行う
ストレッチは勢いを付けずに、ゆっくり時間をかけて行いましょう。
ふくらはぎの筋肉は足底腱膜と連動しています。ふくらはぎの筋肉の柔軟性を高めることによって、足底腱膜にかかる負担の軽減に繋がります。
1. 左足を前に出し、左足の膝を曲げた状態で壁に手をついて立つ
2. 後ろにある右足のかかとは付けた状態で、両手で壁を押す
3. 右足のふくらはぎが伸ばされるのを感じながら15〜30秒キープ
4. 1〜2セット行う
5. 反対側も同様に行う
反動を付けないでゆっくり体を壁に近づけていき、ゆっくりとふくらはぎを伸ばしていきましょう。
足の裏にかかる負担は、日常生活の過ごし方の工夫や日頃からのトレーニングで軽減することができます。
1. 靴に機能性インソールを入れる
靴に元々入っている中敷きやクッション素材だけのものよりも、足のアーチをサポートする機能性インソールを活用すれば、足の裏にかかる負担をより軽減できます。
2. 足の裏に無理な負担をかけない
立ち仕事やスポーツをする時は、適度に休憩を取り入れましょう。日頃から、足の裏に負担がかからないように工夫することが大切です。
3. 足の裏のマッサージをする
足の裏の柔軟性を保つために、マッサージもおすすめです。椅子や床に座り、テニスボール・ゴルフボールを足の下に置きます。足に体重をかけながら前後左右に転がせば、マッサージ効果が期待できます。
4. 足の裏の筋肉を鍛える
足のアーチを維持するには足の裏にある筋肉の働きも大切です。足の指でタオルをたぐり寄せる「タオルギャザー」やビー玉を足の指でつかんで移動させる「ビー玉つかみ」などのトレーニングで、足の裏の筋肉を鍛えましょう。
● タオルギャザー
足の裏には、指を曲げる筋肉があります。そのため、タオルをたぐり寄せる動作で、足の裏の筋肉を鍛えることが可能です。
1. 両足を揃えて椅子に座り、足の手前にタオルを敷く
2. 足の指をすべて曲げて、タオルをたぐり寄せる
3. 1~2回繰り返す
足の指をできるだけ大きく動かし、疲労を感じるくらいまで行いましょう。スムーズにたぐり寄せられるようになったら、タオルにペットボトルを置いて負荷を強めると、さらに効率良く足の裏の筋肉を鍛えられます。
● ビー玉つかみ
足の指先でビー玉をつかむ動作をすることで、足の指と足の裏の筋肉を鍛えます。
1. 床にビー玉を10個入れた箱と空箱を1つずつ置いて、両足を揃えて椅子に座る
2. どちらか片方の足の指でビー玉を1つずつつかみ、空箱に移動させる
3. 10個移動したら、反対の足も同様に行う
最初はなかなか上手くいかないかもしれませんが、繰り返すことでスムーズに行えるようになります。
足の裏の痛みは、繰り返しかかる負担や強い衝撃、自分の足のサイズに合っていない靴の使用などによって生じます。また足底腱膜や神経などに障害を引き起こしている場合もあるので注意が必要です。
足底腱膜に関する痛みはストレッチにより緩和が期待でき、トレーニングなどと併用すれば、足裏の痛みの予防にもつながります。足の裏にかかる負担を軽減するためには、足のアーチをサポートする機能性インソールを日頃から使用するのもおすすめです。しかし、痛みが強くなったり、なかなか痛みが治らなかったりする場合は、早めに整形外科などの医療機関を受診しましょう。
シグマックス・MEDIAID事務局
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日本シグマックスの
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※MEDIAIDは日本シグマックスのブランドです。
※1:㈱日本能率協会総合研究所調べ。2023年度メーカー出荷額ベース
※2:㈱日本能率協会総合研究所調べ。2020~2023年度メーカー出荷枚数ベース