『腰痛』の原因と症状は?タイプ別の対処法と予防するストレッチをご紹介

「腰が痛くなる原因は?」「腰痛の対処法は?」など、腰痛に関する疑問がある方は多いのではないでしょうか。

日本人が自覚する症状として上位に挙げられる腰痛ですが、発症する原因は1つではなく、さまざまな疾患が潜んでいる可能性があります。

今回は腰痛の原因や症状、タイプ別の対処法、ストレッチをご紹介します。腰痛でお悩みの方はもちろん、腰痛にならないよう予防したい方も本記事を参考にしてください。

腰痛とは

腰痛は病名ではなく、腰の痛みや張りによる不快感などの症状の総称です。

腰には背骨の一番下にある5つの骨(椎骨)が積み重なってできた腰椎(ようつい)があり、腰椎の下には骨盤があります。腰椎や骨盤は、体の中心となる部分です。上半身の重さを支えつつ、下半身からの衝撃を吸収する役割を持っており、これらに大きな負担がかかることで腰痛が引き起こされます。

腰の周辺には、腰椎や骨盤以外にもさまざまな組織があります。

● 椎間板…腰椎と腰椎の間にあり、腰椎にかかる負担を軽減するためのクッションの役割を持つ組織

● 椎間関節…腰椎と腰椎をつなぐ関節部分

● 靭帯…黄色靭帯(おうしょくじんたい)や後縦靱帯(こうじゅうじんたい)などがあり、腰椎の過剰な動きを制御する

● 脊髄・神経根(しんけいこん)・馬尾(ばび)…背骨の後方にある空間(脊柱管:せきちゅうかん)を通る神経を脊髄と呼ぶ。脊髄から枝分かれした神経を神経根と呼び、足の感覚や運動を司る。腰から骨盤にかけては神経根の束である馬尾が脊柱管内を通る

● 仙腸関節(せんちょうかんせつ)…骨盤は仙骨(せんこつ)、寛骨(かんこつ)、尾骨(びこつ)で構成され、仙骨と寛骨の一部である腸骨の間の関節を仙腸関節と呼ぶ

その他にも、腰を動かしたり、姿勢を安定させたりするために背筋(筋・筋膜)があります。

病気やけがの他、日常生活でかかる負担によってこれらの組織に不具合が生じることで、腰に痛みや張りなどの不快感が生じます。

腰痛の原因

腰痛は原因が特定できる「特異的腰痛」と特定できない「非特異的腰痛」に分けられます。 腰痛の原因は、以下のように分類が可能です。

● 腰椎周辺の組織が原因となる腰痛(脊椎の腫瘍、腰椎の骨折、腰椎椎間板ヘルニア、筋・筋膜性腰痛など)

● 神経の疾患が原因となる腰痛(脊髄の腫瘍、馬尾腫瘍など)

● 内臓の疾患が原因となる腰痛(腎結石、尿路結石など)

● 血管の疾患が原因となる腰痛(腹部大動脈瘤、解離性大動脈瘤など)

● 心因性の腰痛(うつ病、ヒステリーなど)

腫瘍や骨折、内臓、血管などの疾患が原因となる腰痛は、はっきりと腰痛の原因が特定でき、診断や治療方法が確立されています。そのため、「特異的腰痛」として早期発見・早期治療が必要です。

一方、筋・筋膜性、心因性の腰痛は共通する診断や治療法が確立されていません。腰痛の原因がはっきりと確定できないため、「非特異的腰痛」と呼ばれます。

ただし、近年では非特異的腰痛と呼ばれる腰痛でも、診断技術の進歩や研究の進展によって診断可能な腰痛が含まれており、診断不明の腰痛は2割程度に過ぎないとの研究もあります。今後、より正確な診断が可能になることが期待されます。

● 腰痛を引き起こす主な要因

● 長時間、同じ姿勢を続ける

● 前かがみやひねり、腰を反る動きを繰り返す

● 重いものを持ったり、激しい運動をしたりする

● 労働環境(振動を繰り返す、寒冷・多湿な空間、乱雑で狭い空間など)

● 腰まわりの筋力低下

● 既往歴

● 仕事のモチベーション低下、過剰労働、上司や同僚との関係など心理・社会的な要因

背骨は上半身の重さを分散させて支えるため、S字に弯曲しています。腰椎は前方に凸になるように弯曲しており、生理的弯曲(せいりてきわんきょく)と呼ばれます。

腰椎のまわりの筋力が低下したり、悪い姿勢を続けたりすると、生理的弯曲が崩れることで負担がかかり、腰痛の原因となります。

また、腰痛は心理・社会的な要因と関連性があると言われており、症状に対するネガティブな考え方が腰痛の長期化に繋がることもあります。

腰痛を引き起こす疾患

腰痛を引き起こす疾患を解説します。自分の症状が当てはまる場合は、できるだけ早く整形外科などの医療機関を受診しましょう。

● 腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアは、椎間板の中にあるゼリー状の髄核(ずいかく)が椎間板から突き出し、馬尾や神経根を圧迫する疾患です。腰痛だけでなく、足に広がる痛み(放散痛:ほうさんつう)が見られます。

症状は前にかがむと悪化しやすく、神経への圧迫が強まると感覚が鈍くなったり、足の力が入りにくくなったりといった症状も現れます。外性器と肛門の間にある会陰(えいん)部のしびれが起こり、尿が出なくなる、尿を出すことができないなどの症状が起こることもあります。このような症状が出た場合、すぐに整形外科などの医療機関を受診してください。

● 腰部脊柱管狭窄症

腰部脊柱管狭窄症は、脊柱管や神経根の通る椎間孔(ついかんこう)が狭くなり、脊髄や馬尾、神経根を圧迫する疾患です。

腰部の脊柱管や椎間孔が狭くなる原因として多いのが、加齢による腰椎の変形です。圧迫された神経の症状として、腰痛やお尻から足に広がるしびれや痛みがあります。また、排尿や排泄の障害や足の広範囲にしびれやほてりが見られます。

他にも筋力の低下、神経性間欠跛行(しんけいせいかんけつはこう)がみられます。神経性間欠跛行は、しばらく歩くと足に痛みやしびれが生じ、歩けなくなってしまうものの、前かがみになって休憩すると症状が回復して再び歩けるようになるのが特徴です。

● ぎっくり腰

ぎっくり腰は疾患名ではなく、急に起こった強い腰痛の一般的な呼び方です。痛みの原因は1つではなく、関節や椎間板に負担がかかったり、筋肉や靭帯などが損傷したりすることで生じると考えられています。

ものを持ち上げた時や腰をひねった時に起こる場合が多いですが、起床直後や何もしていない時に急に起こることもあります。

ぎっくり腰については「『ぎっくり腰』の対処法は?原因と予防のためのストレッチ方法」で解説しているので、気になる方は参考にしてください。

● 脊椎椎体骨折

腰椎の前方部分はブロックのような形をしており、椎体(ついたい)と呼ばれます。椎体が圧迫されて潰れたように骨折するため圧迫骨折とよばれることもあります。加齢などで骨粗鬆症(こつそしょうしょう)になって骨がもろくなると、中腰の姿勢を続けたり、重いものを持ったりすることで負担が集中してしまい、骨折することがあります。

転倒により、尻もちを付いて椎体に強い外力が生じるのも原因の1つです。体を動かした時の強い腰痛、腰痛による動作困難が症状です。椎体は前方が潰れる場合が多いですが、後方を含めた全体が潰れると脊髄の損傷を引き起こし、足の麻痺が生じる場合があります。

● 腰椎分離症・腰椎分離すべり症

腰椎分離症(脊椎分離症)は、スポーツをしている若い方に起こりやすく、腰椎の後方にある椎弓(ついきゅう)に疲労骨折が生じて椎体と分離してしまう疾患です。また、分離した椎体が前方にずれてしまった状態を腰椎分離すべり症と呼びます。

腰椎分離症や腰椎分離すべり症では、腰からお尻、太もも裏に痛みが生じます。すべり症により神経を圧迫される場合があり、しびれや神経性間欠跛行の症状がみられるのも特徴です。

腰痛のタイプをセルフチェックしよう

自分の腰痛のタイプをチェックする方法があります。以下の3つから、自分の腰痛のタイプを確認しましょう。

1.座り姿勢で痛むタイプ

座るとすぐに腰が痛くなる、座り続けていると腰が痛くなる。

2.前屈すると痛むタイプ

前屈すると、腰がつっぱるように痛くなる。

3.ランニング後に痛むタイプ

ランニングなど運動の後や立ち姿勢が続いた後に、腰が痛くなる。

腰痛のタイプ別ストレッチ方法

セルフチェックで腰痛のタイプを確認したら、ストレッチを実施しましょう。セルフチェックの結果があっていれば、ストレッチによる症状の緩和が期待できます。

しかし、ストレッチをすることで痛みが強まる、ストレッチをしても痛みが緩和しない場合は整形外科などの医療機関を受診しましょう。

● 1.座り姿勢で痛むタイプのストレッチ

座り姿勢での腰痛に対しては、正しい座り姿勢をキープし、腰にかかる負担を減らすために必要な肩甲骨まわりのストレッチをご紹介します。

1.椅子に座って、両手でタオルを持つ(両手は肩幅くらいに広げる)

2.背筋を伸ばすようなイメージで、両手を上にあげる

3.肩甲骨を寄せるように意識しながら、タオルを首の後ろまでゆっくりおろす

4.もう一度ゆっくり両手をあげ、ゆっくり最初の位置に戻す。2〜3回繰り返す

良い座り姿勢をとるコツはこちらの記事をチェックしてください。

● 2.前屈すると痛むタイプのストレッチ

前屈すると腰がつっぱるように痛む時は、大ももの背面の筋肉であるハムストリングスを伸ばすストレッチを行いましょう。

1.椅子に浅めに腰掛けて、背筋を伸ばす

2.右足の膝を伸ばして、かかとを地面につける

3.息を吐きながらゆっくり体を前に倒す(腰を丸めず、上体を伸ばしたまま前傾するように意識する)

4.右足の太ももの裏が伸ばされるのを感じながら20秒キープ。2〜3回繰り返す

5.反対側も同様に行い、太ももの裏をストレッチする

ハムストリングスを伸ばすストレッチは、腰痛の緩和に効果的です。ハムストリングスが柔軟になることで、腰まわりの筋肉の緊張が緩和されます。

● 3.ランニング後に痛むタイプのストレッチ

ランニング時の腰痛に対して、固くなりやすい太ももの前にある大腿四頭筋のストレッチを行います。

1.右側を下にして横向きに寝て、両膝を軽く曲げる

2.左手で左足首を持つ

3.腹筋に力を入れながら、できるだけかかとをお尻に近づけるように後ろに足を反らす

4.太ももの前が伸ばされるのを感じながら20秒キープ。2〜3回繰り返す

5.次は反対向きに寝て、右足も同様にストレッチする

大腿四頭筋のストレッチによって骨盤の前傾を防ぐことで、腰まわりの筋肉の緊張を緩和します。また、全体的な体のバランス改善によって腰への負担を軽減し、腰痛の予防や症状の軽減が期待できます。

まとめ

腰痛を防ぐためには、腰痛の原因を理解して、日頃から自分にあったストレッチをしたり、腰に負担がかからないように過ごしたりすることが大切です。自分の腰痛のタイプに合ったストレッチを実践して、腰痛を予防・緩和しましょう。

また、腰椎の生理的な前弯を保つことで、腰周辺の組織にかかる負担を軽くすることも大切です。腰サポーターは正しい姿勢の維持をサポートするため、腰の負担を軽減したい際には活用しましょう。

ただし、特定の疾患による腰痛の原因を明らかにするには、医師や専門家による検査が不可欠です。ストレッチをしても腰痛が出る場合は、早めに整形外科などの医療機関を受診して、腰痛の悪化を防ぎましょう。

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※2:㈱日本能率協会総合研究所調べ。2020~2023年度メーカー出荷枚数ベース

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