足のむくみは病気が原因?生活習慣が原因のむくみの解消法を解説

2023.08.09 最終更新日: 2024.04.30

「最近、足がむくんでいるけど原因はなに?」「むくみの解消法を知りたい」。このような不安や疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
足のむくみは病気や生活習慣の乱れなど、さまざまな原因が考えられます。むくみの状態によっては生活習慣の改善やストレッチを継続することで解消する場合もあります。
今回は足のむくみのチェック方法、原因、解消法を解説します。足のむくみに悩んでいる方は、まずはむくみのセルフチェックから行いましょう。

足のむくみとは

足のむくみとは、細胞と細胞の間にある水分が過剰にたまってしまった状態のことを言います。人間の体は約60%が水分で、その内訳は40%が細胞の内(細胞内液)に、20%が細胞の外(細胞外液)に分かれています。

細胞の外の水分とは血管を通る血液に含まれる水分や細胞間にある水分で、むくみに関係しています。通常であれば、細胞間にある水分は血管内の水分と交換されて水分量を一定に保っています。しかし、何らかの原因で血管と細胞間で行われている水分移動のバランスが崩れると、細胞間にある水分が血管内にうまく吸収されなくなります。その結果、細胞間に水がたまってしまい、いわゆる「むくみ」の状態になります。

血液が流れるメカニズムも足のむくみやすさと関係しています。心臓は血液を全身に送り出すポンプのような働きをしており、全身に流れた血液は体にある筋肉がポンプの役割をすることで心臓に戻ります。しかし、足は体の最下部にあるため、重力の影響で血液がたまりやすい場所です。ふくらはぎの筋肉が何かしらの原因でポンプ機能を果たさないとふくらはぎに血液がたまってしまい、むくみを引き起こします。

足のむくみをセルフチェック

最初は足がむくんでいるかどうかを自分で調べてみましょう。

セルフチェック方法

すねの内側を親指で5秒ほど押し、親指を離します。

チェック結果

通常、親指で押した部分はすぐに元に戻ります。しかし、へこんだまま元に戻らない場合は足にむくみが生じている状態です。
その他のチェック方法としては、靴下のゴムの跡がくっきり残っている場合も足がむくんでいる状態です。

足のむくみの原因

足のむくみの原因には、生活習慣が原因の場合と病気が原因の場合に分けられます。病気が原因の場合に内科などの医療機関を受診する目安も解説します。

生活習慣が原因の場合


生活習慣の乱れによって細胞間に水分がたまりやすくなり、足のむくみが生じます。足のむくみが起こりやすい生活習慣をチェックしましょう。

水分や塩分を大量に摂取している


水分を大量に摂取すると体全体の水分が増えてしまい、結果として組織間の水分も増えるためむくみが起こります。また、塩分を大量に摂取した場合は血液中のナトリウムの濃度が高くなります。体は濃度を薄めて正常に保とうとする結果、水分を多く取り込んでしまい、むくみにつながります。

ストレスがある


寝不足や疲労などでストレスがたまると自律神経の働きが乱れ、交感神経が活発化します。交感神経が活発化すると血管が収縮して血液の流れが悪くなり、むくみを引き起こします。また、ストレスによりホルモンの一種である「コルチゾール」の分泌が促され、ナトリウムや水分の排出が阻害されます。そのため体内に余分な水分がたまり、むくみの原因となります。

長時間の立ち仕事やデスクワークをしている


長時間の立ち仕事やデスクワークの方は、重力の影響で血液が足にたまりやすくなります。本来、ふくらはぎの筋肉がポンプのように働き、足にたまった血液を心臓に押し戻します。しかし、長時間同じ姿勢を取り続けるとふくらはぎのポンプ作用がうまく働かなくなり、足にむくみが起こります。

運動不足


運動不足によって筋肉量が減少すると、筋肉が血液を押し流すポンプ作用が弱まり、むくみやすくなります。女性は男性よりも筋肉量が少ないためむくみやすいと言えます。

過度なダイエット


ダイエットにより、タンパク質やミネラルなどの栄養素が不足するとむくみが生じます。例えば、タンパク質の一種であるアルブミンが不足すると血管内に水分をとどめられなくなり、細胞間に水分がたまってむくみにつながります。また、ミネラルの一種であるカリウムは塩分を体外に排出するのを助けます。そのため、ミネラル不足は血液中のナトリウム濃度を上げてしまい、むくみにつながります。

ホルモンバランスの変化


女性は妊娠や出産、生理などでホルモンのバランスが大きく変化します。ホルモンバランスの乱れにより生じるのが、自律神経の乱れです。ストレスと同様に自律神経の乱れは体内の水分調整のバランスを崩してしまい、むくみが生じます。

病気が原因の場合


むくみの原因となる主な病気は次のようなものが挙げられます。

  • 下肢静脈瘤・深部静脈血栓症
  • 心不全
  • リンパ浮腫
  • 腎臓病(腎炎、腎不全、ネフローゼ症候群)
  • 肝硬変
  • 甲状腺機能低下症
  • 高血圧

上記の病気で生じるむくみは次のような特徴があります。

  • 何日もむくみが戻らない
  • 顔や手など全身がむくんでいる
  • 左右のむくみの差が大きい

このような症状があると、病気によりむくんでいる可能性があります。両足や顔、手のむくみがある場合は内科などの医療機関を受診しましょう。また、むくみ以外に息切れや動悸、急な体重の増加、血管が浮き出るなどの症状が現れた場合も早めの受診が必要です。

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【生活習慣が原因】足のむくみの解消法

生活習慣が原因の足のむくみを解消するには生活習慣の改善とストレッチを行いましょう。

適度な運動を取り入れる


運動によってふくらはぎのポンプ作用を働かせることで血液がスムーズに流れるようになります。また、筋肉量を増やすことで筋肉によるポンプ作用を促します。

ふくらはぎに圧をかける


ふくらはぎの血液を心臓に送るポンプ作用を促すために、運動の他にはマッサージや着圧機能のあるサポーター(着圧ソックス)を使用する方法があります。ふくらはぎに適度な圧をかけることでポンプ作用をサポートし、心臓に血液が戻りやすくなります。

体を冷やさないようにする


体を温めると血行がよくなり、むくみが解消されます。足浴をしたり、夏場はクーラーに直接当たらないようにしたりと、体を冷やさないようにしましょう。

正しい食生活


これまでの食生活を振り返り、タンパク質やミネラルをバランスよく摂取する、塩分や糖分を取りすぎないなど、正しい食生活を実践しましょう。

睡眠時間を確保する


寝不足や疲れがたまっている時はむくみが生じやすくなります。睡眠中は足にたまった水分が移動して尿として排泄されるので、日頃から十分な睡眠時間を確保するように心がけましょう。

むくみを解消するストレッチ

足のむくみを解消するストレッチをご紹介します。無理のない範囲で行いましょう。

ふくらはぎのストレッチ


  1. 立った状態で右足を前に大きく出し、両手を太ももに置く
  2. 左足の踵を地面に押さえつけて、ふくらはぎを伸ばす
  3. 右足の膝を曲げて、ふくらはぎ下部(ヒラメ筋)が伸ばされるのを感じながら30秒キープ
  4. 右足の膝を伸ばして、ふくらはぎ上部(腓腹筋)が伸ばされるのを感じながら30秒キープ。反対も同じようにする

ふくらはぎには腓腹筋(ひふくきん)とヒラメ筋という2種類の筋肉があります。膝を曲げるとヒラメ筋、膝を伸ばすと腓腹筋がストレッチされます。また、ストレッチをしている足のつま先の向きを、内側・外側に変えるとふくらはぎの筋肉全体を伸ばせます。余裕のある方はぜひやってみてください。

足首・足指のストレッチ


  1. 床に座って両足を前に前に伸ばす。左足の太ももの上に右足を乗せる
  2. 左足の指の間に右手の指を入れる
  3. 足首、足指を一緒に動かすようにゆっくりと時計回りに10回まわす
  4. 反時計回りに10回まわし、3~5セット行う。反対側も同じようにする

ストレッチは入浴後や仕事の合間など無理のない範囲で行い、毎日少しずつでも継続することが大切です。

まとめ

足のむくみは誰でも身近に起こりうる症状です。生活習慣が原因のむくみの場合はむくみの要因となる生活習慣を改善させ、継続した運動やストレッチを取り入れてむくみを解消しましょう。
しかし、むくみの中には重大な病気が潜んでいる場合もあります。生活習慣の改善やストレッチを行っても、むくみが改善されない、悪化している場合は早めに内科などの医療機関を受診しましょう。

発信者

シグマックス・MEDIAID事務局

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※1:㈱日本能率協会総合研究所調べ。2023年度メーカー出荷額ベース
※2:㈱日本能率協会総合研究所調べ。2020~2023年度メーカー出荷枚数ベース

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