2023.07.20 最終更新日: 2024.08.30
「反り腰ってどうしたら改善できるの?」「腰痛が続いているけど反り腰のせい?」。このような疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。腰は少し反った状態が通常ですが、過剰に反っていると腰痛などの体の不調をきたす原因となります。
今回は、反り腰の原因やチェック方法、反り腰を改善するストレッチをご紹介します。反り腰と腰痛が気になる方はぜひ参考にしてください。
本来、人間の背骨は首から背中、腰にかけて自然にS字カーブした状態を保っており、この状態を「生理的弯曲」と呼びます。背骨の中でも首の骨を頚椎(けいつい)、背中の部分にあたる骨を胸椎、腰の部分は腰椎と言います。
・頚椎:前弯(前方凸のカーブ)している
・胸椎:後弯している(丸まっている)
・腰椎:前弯(前方凸のカーブ)している
腰は自然に反っていますが、反り腰は通常より強く反っている状態のことを指し、「腰椎前弯が強くなる」とも言います。一方、胸椎が強く丸まった状態が猫背です。また、腰椎は骨盤の傾きと関係し、連動しています。
・腰椎の前弯が強くなる→骨盤 前傾タイプ(反り腰)
・腰椎の前弯が弱くなる→骨盤 後傾タイプ(猫背)
反り腰になると自然な背骨の弯曲や骨盤の傾きが崩れてしまうので、体にさまざまな不調が現れます。
まずは自分が反り腰かどうかをチェックしましょう。 壁を背にして普段の姿勢で立ち、そのままの姿勢をキープしながら壁にくっつくように下がります。この時、体のどの部分が壁に付いているかと、付いていない部分の隙間の程度で、以下の4つの姿勢に判定できます。
・腰と壁に手のひら程度の隙間がある、踵と後頭部が壁に付く…「①良い姿勢」
・腰と壁の隙間に手が入らない、踵と後頭部が壁に付かない…「②猫背」
・腰と壁にげんこつくらいの隙間がある、踵と後頭部が壁に付かない…「③反り腰」
・腰と壁の隙間に手が入る、踵が壁に付かない、後頭部が壁に付かないor意識的に反らすと付く…「④ストレートネック」
「③反り腰」は背中が過剰に反っているので腰と壁の隙間が大きくなり、こぶしくらいの隙間が空いている状態です。
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反り腰になる原因はさまざまです。ここでは主な原因を解説します。
「重いものを持つ機会が多い」「長時間の立ち仕事をしている」といった場合は、腰の筋肉を継続して使用します。そのため、腰の筋肉が常に緊張した状態になり、反り腰になる可能性があります。
腹筋は腰椎を前方から支えて、過剰な前弯を防ぐ役割を担います。腰椎は腹筋と背筋が前後でバランスよく働くことで、適度な前弯を保っています。そのため、腹筋が弱ってしまうと腰椎の前方からの支えが減って背筋とのバランスが崩れてしまい、腰椎の前弯が強くなります。
股関節の前側には腸腰筋(ちょうようきん)や大腿直筋(だいたいちょっきん)と呼ばれる筋肉があります。これらの筋肉が縮んで硬くなると、骨盤の前傾が強まります。骨盤の前傾が強まると腰椎の前弯も強まり、反り腰になりやすいと言えます。
体重が増加しておなかが出ると重心が前にかかります。そのまま立とうとすると、体が前に倒れてしまうので重心を後ろに戻すことが必要です。その結果、腰を後ろに反らすような姿勢になり、その姿勢を続けることで反り腰になりやすいです。
妊娠によりおなかが大きくなる場合も、体重の増加と同じ原理で反り腰を引き起こしやすいと言えます。
ヒールの高い靴を履くとつま先に体重がかかりやすくなります。そのため、重心が前に傾きます。傾いた重心を後ろに戻そうとすることで、反り腰になる可能性があります。
反り腰により生じる体のトラブルについて解説します。
反り腰になると背骨周辺の筋肉が持続して力が入ったり、縮んだりする状態になります。そのため、背中の筋肉や周辺の組織の血流が阻害され、痛みを引き起こす要因になります。姿勢が改善されない状態が続くと、腰痛が慢性化します。また、反った状態は背骨と背骨をつなぐ関節(椎間関節:ついかんかんせつ)にストレスがかかります。このストレスによる椎間関節の痛みにより、腰痛が慢性化するリスクが高まります。
腰部脊柱管狭窄症とは、背骨にある神経の束が通る管(脊柱管)が狭くなり、神経を圧迫することでさまざまな不調をきたす病気です。腰椎の前弯が強くなると、腰にある脊柱管が狭くなります。その結果、腰の神経を圧迫してしまい、足のしびれや痛みが生じます。足の力が入りづらかったり、長い距離を歩けなくなったり(間欠性跛行:かんけつせいはこう)といった症状が現れます。
坐骨神経は腰から伸びてくる神経で、お尻から太ももの裏側を通って膝裏まで続きます。上記のどこかで神経が障害され、お尻や脚に痛みが現れることを「坐骨神経痛」と呼びます。坐骨神経痛が生じる病気はさまざまですが、腰部脊柱管狭窄症では腰の部分で神経が障害されるため坐骨神経痛になります。反り腰と関連するのは、腰椎の前弯が強まることで骨盤が前傾してしまう点です。骨盤が前傾すると坐骨神経の上を通る、梨状筋(りじょうきん)が緊張した状態になります。その結果、坐骨神経を圧迫してしまい、坐骨神経痛が生じます。
成長期のスポーツ活動で、腰を繰り返し反らすことで腰椎の後ろ部分に亀裂が生じてしまうけがです。体の硬さや腹筋などの筋力不足で、反り腰が続くと腰椎へのストレスが強まり、腰椎分離症のリスクが高まります。
反り腰を改善する方法として、自宅で簡単にできるストレッチを2つご紹介します。
反り腰を改善するために背中をしっかり丸くして背中の筋肉をストレッチしましょう。また、丸くなったり、反ったりを繰り返して、背中の柔軟性も改善させます。
肘や膝が曲がらないようにして、背骨をゆっくり動かすイメージで行いましょう。
骨盤の前傾とそれに伴う反り腰の原因となる、太ももの前の硬さを改善するストレッチです。
デスクワークの途中やスマホ・テレビを見ている時の合間などに取り組むのがおすすめです。ストレッチ中は息を止めないようにして、痛みのない気持ちいい程度のところまで伸ばしましょう。
立っている時だけでなく、座っている際にも反り腰になりやすいため注意が必要です。
ストレッチを取り入れても、日常の大半で姿勢が崩れていると、ほぐした筋肉が戻ってしまい正しい姿勢の癖が付きづらくなります。
日頃から本来の正しい姿勢・骨盤の位置を意識して、不調の対策を行いましょう。
無意識に姿勢が崩れてしまうという方は、「正しい姿勢の維持」を手助けしてくれるサポーターを取り入れてみてください。
姿勢が崩れていると、身体の不調だけでなく、全体的に暗い印象に見えてしまう、お腹周りがぽっこりした印象になるなど、見た目の印象も悪くなってしまいます。
【サポーターを選ぶ際のポイント】
長時間着けても邪魔・負担になりにくいように、通気性に優れたものやズレ・かさばりが少ないサポーターがオススメです。
慣れるまでは装着する時間を調整しながら、徐々に長くするなど、自身のコンディションと相談しながら取り入れてみてください。
骨盤・腰まわりの負担を軽減。お腹を引き締め、「美姿勢」にアプローチ。
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反り腰は筋力の低下や体重の増加、筋肉が硬くなるといったさまざまな原因で生じます。それゆえ、それぞれの原因に合わせた対応が必要になります。
特に、背中や股関節周辺の筋肉の硬さが原因の場合は、自宅で簡単にできるストレッチを継続することが大切です。また、反り腰をそのままにしておくとさまざまな体のトラブルを引き起こす可能性もあります。姿勢のチェック方法で反り腰に当てはまった方は、今日からストレッチやサポーターを取り入れて正しい姿勢の補助を行うようにしましょう。
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※1:㈱日本能率協会総合研究所調べ。2023年度メーカー出荷額ベース
※2:㈱日本能率協会総合研究所調べ。2020~2023年度メーカー出荷枚数ベース